先に結論

散骨 樹木葬 納骨堂 永代供養墓(合葬など)
法律上の扱い 墓地埋葬法に定めのない行為 墓地への焼骨の埋蔵 納骨堂への焼骨の収蔵 墓地への埋蔵(または納骨堂への収蔵)
場所 海・陸地(条例に注意) 許可を受けた墓地 許可を受けた納骨堂 許可を受けた墓地・納骨堂
粉骨 必要 霊園による 霊園・施設による 霊園による
お参りの場所 まいた海・場所 墓地のなかの木や区画 納骨堂 墓地・納骨堂
役所の書類 散骨そのものの許可はなし 埋葬許可証など(管理者に出す) 火葬許可証(埋葬許可証)など 埋葬許可証など

上の表の「法律上の扱い」と「役所の書類」は、墓地、埋葬等に関する法律(墓地埋葬法)の条文によるものです。粉骨・お参りの場所などは一般的な傾向で、霊園や業者によって違います。

法律上の扱いの違い

樹木葬は「墓地に埋める」もの

墓地埋葬法では、「墳墓」を「死体を埋葬し、又は焼骨を埋蔵する施設」、「墓地」を「墳墓を設けるために、墓地として都道府県知事(市又は特別区にあつては、市長又は区長。以下同じ。)の許可を受けた区域」と定めています(第2条第4項・第5項)。そして、第4条は「埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない」としています。

樹木葬は、墓石の代わりに木などを目印にしてご遺骨を土に納めるものなので、許可を受けた墓地のなかで行うことになります。たとえば東京都の都立霊園には「樹林型合葬埋蔵施設(樹林墓地)」があり、東京都は「シンボルツリーの元に、多くの遺骨を一緒に埋蔵します」と説明しています。

墓地の管理者は、埋葬許可証・改葬許可証・火葬許可証を受け取ったあとでなければ、焼骨を埋蔵させてはならないと定められています(第14条第1項)。樹木葬でも、火葬のときに受け取った書類(一般に「埋葬許可証」と呼ばれるもの)が必要になります。

散骨は「埋蔵・収蔵以外の方法」

一方、厚生労働省のページに掲載されている「散骨に関するガイドライン(散骨事業者向け)」は、散骨を「墓埋法に基づき適法に火葬された後、その焼骨を粉状に砕き、墓埋法が想定する埋蔵又は収蔵以外の方法で、陸地又は水面に散布し、又は投下する行為」と説明しています。

つまり散骨は、お墓に埋める(埋蔵)のでも、納骨堂に納める(収蔵)のでもない送り方です。墓地埋葬法には、散骨そのものの許可や届け出の決まりはありません。ただし、自治体によっては条例で散骨を禁止・制限しているところがあります。法律上の扱いは散骨は違法? 法律・国のガイドラインでの扱いで、条例は散骨が禁止・制限されている自治体の一覧でご説明しています。

「自宅の庭に木を植えて埋める」は樹木葬ではない

自宅の庭など、墓地として許可を受けていない場所にご遺骨を埋めることは、第4条との関係で問題になるおそれがあります。東京都の「散骨に関する留意事項」でも、個人が庭などに墓地をつくることは法令上認められていない、と案内しています。「木の下に眠りたい」という希望をかなえたい場合は、許可を受けた墓地の樹木葬を選ぶことになります。

お参り・あとのことの違い

手を合わせる場所

樹木葬は墓地のなかにあるため、命日やお盆に訪ねる場所がはっきりしています。ただ、ほかの方と一緒に埋める形では、個別の墓標がないこともあります。

散骨は、まいた場所がそのままお参りの場所になります。海洋散骨では、散骨証明書に緯度・経度が書かれていれば、同じ海域を目指して訪ねることができます(散骨証明書とは?)。お墓がないことで、あとから「手を合わせる場所がない」と感じる方もいるため、ご遺骨の一部を手元に残す方もいらっしゃいます(散骨で後悔しないために)。

あとから取り出せるか

散骨したご遺骨は、取り戻すことができません。

樹木葬では、区画ごとに埋める形か、ほかの方と一緒に埋める形かで変わります。一緒に埋める形では、あとで特定の方のご遺骨だけを取り出すことは難しいと考えられます。将来、別のお墓に移す可能性がある場合は、申し込む前に霊園の規則を確認してください。

継ぐ人がいなくてもよいか

散骨は、お墓を残さないので、あとを継ぐ人や管理の費用の心配がありません。樹木葬・永代供養墓は、霊園やお寺が管理を続ける形が多いものの、年間の管理料の有無、契約の期間、期間が過ぎたあとの扱いは霊園ごとに違います。契約書や規則で確認しておきましょう。

費用の考え方

散骨の費用

散骨の費用は、形(委託・合同・貸切)と、粉骨が含まれているかで大きく変わります。当サイトでは、掲載業者の公開料金を確認日つきで集計しています。最新の集計は料金相場のページで、業者ごとの粉骨込みの総額は委託散骨の比較でご覧いただけます。

形ごとの違いは委託散骨・合同散骨・貸切散骨の違い、追加でかかりやすい費用は海洋散骨の費用の内訳でご説明しています。

樹木葬の費用

樹木葬の料金は、霊園の場所、区画ごとか一緒に埋めるか、何人分か、管理料がかかるかなどで変わります。当サイトでは樹木葬の料金は集計していないため、ここでは金額をお示ししません。公営霊園の場合は、自治体の募集案内に使用料が載っていることがあります。たとえば東京都の都立霊園の樹林墓地は、募集の案内で、粉状にしたご遺骨とそうでないご遺骨とで使用料を分けて示しています。また、都立霊園は居住年数などの申込資格が決められています。

比べるときは、最初に払う額だけでなく、年間の管理料や、彫刻・納骨の手数料など、あとからかかる費用も含めて見積もりを取ると安心です。

どちらが合っているか考えるときの目安

次のような点を、ご家族で話し合ってみてください。

  1. お参りの場所を残したいか:残したいなら樹木葬・永代供養墓、海を訪ねる形でよければ散骨。
  2. 故人の希望:「海に還りたい」「木の下で眠りたい」など、本人の言葉があるか。
  3. 将来、移す可能性があるか:あるなら、取り出せる形の樹木葬か、一部を手元に残す散骨を検討。
  4. 継ぐ人がいるか:いない場合は、散骨か、管理を任せられる形のお墓。
  5. ご親族の理解:散骨になじみのない方がいる場合は、一部を樹木葬や永代供養墓に納め、残りを散骨する組み合わせもあります。

一部を散骨して残りを墓地に納める場合は、分骨の書類が必要になることがあります。散骨に必要な手続きと書類の「分骨」の章をご覧ください。お墓から取り出したご遺骨の行き先は、墓じまいの流れでも比べています。

まとめ


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出典(2026年10月25日閲覧)